anzu

Summer of 85のanzuのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
4.2
「フランソワ・オゾン監督がすごいのは、普通の日常のことを、すばらしく良い映画に昇華するところ」ダヴィド役バンジャマン・ヴォワザンのインタビューから。

エイダン・チェンバーズの小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ)の映画化。
なかなか衝撃的なフレーズ。

フランソワ・オゾンの作品は好きで結構観てきたと思うが、今作は監督作品の中でも1位2位を争うくらいドストライクだった。

一夏の輝きはダヴィドに出逢った瞬間から始まる。アレックスの目に映るダヴィドは危なげで魅力的で…翻弄されながらも溢れんばかりの愛に溺れる姿は尊かった。

また夏の海岸沿い、ボーダーシャツに白いボトムス、真っ赤なTシャツにサングラス、風を切るバイク…定番なんだけど、なんでこんなお洒落なんだろう。全てが美しかった。

そしてこの作品を観れば、誰しもがロッド・スチュアートのSailingの音楽が刻まれるのではないだろうか。これを聴けば、時が経っても色鮮やかにあのシーンを想い出せるんだろうなと。

また夏が来たら、無償に観たくなる予感。
anzu

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