rage30

アナザーラウンドのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

飲酒しながら授業を行う教師達の話。

「酒を飲みながら仕事をするなんて…」と倫理的にはアウトな話なんですが、これが意外と功を奏してしまうのが本作の面白いところ。
飲酒がバレそうになったり、より強い酒を求めたり、へべれけになってバカ騒ぎしたりと、笑える場面も何個かありました。

ただ、だからと言って、コメディーと言う程に振り切ってもいなくて、後半になると、酒の負の部分も描かれていく。
暴力的になったり、社会生活に支障が出たり、何より依存性の高さが恐ろしい。
そもそも本作は陰鬱なトーンが貫かれており、単純なコメディー映画として括れる様な作品ではありません。

ある方のレビューで「主人公は酒ではなく、カウンセリングを受けるべき」というのを見かけたのですが、確かにそれも一理あって。
後半になるに従って、酒に頼らざるを得ない…彼らの弱さ、心の闇が見えてくる。
結局のところ、酒はそうした弱さを遠ざける、目を背けさせるものでしかないのでしょう。

友人の死、そして妻との復縁を通して、主人公は自らの本心と向き合えたのか。
「今を生きよう」という歌詞をバックに、序盤では踊れなかったダンスを踊る主人公を見る限り、少なくとも本当の意味で自分を解放出来る様にはなった。
つまりは本来の自分を取り戻した…という事なのかなと、個人的には解釈しています。

酒に良い部分もあれば悪い部分もある様に、人生にだって良い時もあれば悪い時もある。
清濁を併せ呑む様な人生についての映画なので、酒飲みは勿論、下戸な人にも通じる普遍的な作品ですね。

しかし、デンマークは高校生でも酒を飲めるというのには驚いたな~。