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アナザーラウンドのsummerのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.8
人生はままならない様子が丸裸になってる映画で好きだった。もちろんマッツ映画には違いなくて彼が終始死ぬほどかっこいいんだけど、ストーリーも良かった。

人生って、正解かどうかわからないまま常に選択をし続けないといけないけど、マッツ演じるマーティンの姿がまさにそれを体現してるようだった。

一生添い遂げると誓って結婚したはずなのに、いつからか会話もなくギクシャクした関係になってしまったり、大学教授になりたかったのに、妻の妊娠によってそれを諦めたり、研究者だからこその知識への興味関心を活かして教師になったはいいものの、楽しめなくなっていったり…。

それも全部、マーティンがその都度、選択した言動がもたらした結果だし、そんなところに現れたアホみたいな血中アルコール濃度実験に乗ったのも、彼の人生の一部。

人生ってそうだよなぁ、て思う。全部自分次第。常に選択に迫られてる。作中出てたキルケゴールは、「主体性を持って自分の人生を切り開くことが人間の在り方」的な「実存主義」の創始者で、しかもデンマークの人ってわかっておぉ〜てなった。

神様が全部「次はこっちよ〜!」って教えてくれたらいいのに、て思うけど、そうはならないからなぁ。
哲学ってすごい当たり前のようなことを、ちゃんと事象や思想として言語化してる学問なのかな、て思うから、自分のことに置き換えて考えると面白い。
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