イベリー子豚

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

4.9
「1人か世界か」
「全ての次元と歴史を跳び抜けて」
「因縁と運命の【糸】を絶ち切る」
「【青】臭くてアツい」
「どうしようもなく【男子高校生】な」
「【親愛なる隣人】の」
「少年時代からの【卒業】と【選択】」
「最大級の【オタクおもてなし】」
「サブカルチャーの【交差点】で」
「ポップアートの進化の【ビヨンド】」
「最短で【庵野秀明】を目指す
【マリンフォード編~地獄のお茶会編】の
チーム【尾田栄一郎】」
「『RRR』はマンハッタンにまで」
「【パンク】が『NOPE』のお兄ちゃん!」
「《それも、彼だけじゃない》」
「《私にはバンドは合わなかった》」
「《大した悪党じゃないよ。ザコさ》」
「《……静かすぎてウルサいよ》」
「《君たち!ヴァリエーションが豊かだね》」
「《素顔の方がクールかよ》」
「《脇から血が出てるぞ》」
「《また【マルチバースの運命】か!?
……【マルチバースの運命】って聞くたび
俺は気絶しそうだよ!!》
「《私たちはヒーローじゃなかったの!?》」
「《僕は……本当は噛まれるはずじゃなかった》」
「オマケは煽り文句で一言のみ!!
これで一年は先が長ぇぜ!!!!」






全てが異次元。


ストーリーはシンプルなのに
(幸せなことに)情報量で雁字搦め。
脅威の書き込み量。
まさに蜘蛛の巣。


前作鑑賞は必須だし
何なら実写版全て、余裕があれば
出版済みのアメコミ表紙やフィギュアで
全スパイダーズの何となくのビジュアルだけでも
掴んでおきたいところ。


そう、「コミックガチ勢」への熱がダンチです。



一秒間のスパイダーマン摂取量は
間違いなく致死量だし
正直、一時停止しながらWikipedia片手に
鑑賞しなけりゃ採算合わないレベルです。


しかも
【ヴィレヴァン】の雑多さと
【MoMA】の前衛的なスタイリッシュなアート感覚が
常に同時進行中。


全シーンに施されたギミック、演出、情熱が
初見の一回じゃ味わい尽くせない。


色んな意味でこちらのコンディション、知識量、
何より「スパイダーマン愛」を問われる
恐るべき「クリエイターズ・ラブ」。


そして

「度重なる喪失感」
「偶然のギフトと覚醒」
「IQ高めの陰キャ」
「親愛なる隣人」
「手作りスーツ1号がチープ」
「赤くて若い」



同時期公開の『ザ・フラッシュ』と
構成要素は多いのに
受ける印象が全然、違います。


【スパイダーマン】はとにかく青いんだよね。

18歳にしかない危うさと無鉄砲さ。

「恋に戸惑う」し
「親との距離感」「年上への憧れと気後れ」
「将来への希望と不安」も
思春期の肩に降りかかる。


社会人5年目(?)の【バリー】より
行動理念も対応力も発展途上だけど
前作よりも少し伸びた身長と
おでこのシワが激闘の日々を感じさせますね。
(【ロン毛バリー】とは馬が合いそう)



そこに【グウェン】ですよ。

Wヒーロー。今回のもう1人の主役。

あらゆる映画で家族トラブルを抱える
【ヘイリー】ちゃんの魅力が爆発。

刈り上げ眉ピアスに毛先ピンク。

バレエシューズも
借りパクしたコンバースもキャラクターに
よく似合う。


あくまで
「たった1人の友達だから」ってスタンスも
たまりません。


さてさて
ウェブシューターが中国ゴマに
【オスカー・アイザック】が
【スパイダーマン2099/ミゲル】になる新時代。



続編ありきの消化不良もなんのその。


非情な運命をスリングにスウィングする
若き勇姿に興奮が止まらない
唯一無二の大冒険は是非、
IMAXかドルビーシネマをオススメします。