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樹海村のStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

樹海村(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

一番怖いのがガラス戸越しに見る黒沢あすかってどういうことなんだ〜。

「人減らしで樹海に捨てられた手のない者足のない者たち(知的障害者や身体障害者という描写だったように思う)が集まって村を作った」という設定。『犬鳴村』に続き、「弱者のルサンチマンが起こす呪い」に起因するホラーなんだけど、清水崇監督は『呪怨』の頃からずっとそうだった。「その弱者にも問題がある(獣姦したり指切って呪いを強めたり)」というように、「虐げられる者にも理由がある」みたいな描き方。

樹海の一部になるオーガニック・ゾンビ展開はとてもエコフレンドリーな感じがする。緑が多くて禍々しい感じがしないのは、自然=いいものという刷り込みがあるからだろうか。

YouTubeのコメント欄にいた「ど腐れゾンビ」という女の子を樹海オフ会で会った男性たちが品評する場面。「猟奇的なハンドルネームとアイコンなのに声が可愛いから美人だと思ったら太った不美人だった」という描写を普通に気の利いたツイストだと思って用い、「やれるかな?」「え、どっちと?」「え?(←ヒロインの可愛い女の子の話だと思っているのでど腐れゾンビも選択肢に入ると聞いて驚くリアクション)」という男性同士の対話を入れる。とてもいやな感じで、こういうのは上手いな、と思った。割とミソジニーや民族差別(『7500』でのキムチの下り)を隠さない監督である。
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