miu

私をくいとめてのmiuのネタバレレビュー・内容・結末

私をくいとめて(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分が落ち切る前に掬い上げてくれるイマジナリーフレンドを私は多分無意識に飼っている。予防線を張ってだめでも慰めてくれる。誰かといられない自分を社会不適合なのかと疑いながらも、てめえらが不適合だわうるせえなと反骨的なAが私を守ってくれたりもする。
そんなだから随分とこれまで自己完結の世界が成り立ってしまって、いざそこに誰かが入ってくると生命体が維持できなくなって崩れる。そんなスクラップアンドビルドの下手な私だけれど、いつ崩れるかわからないけれど、ゆっくり歩いていけばいいと思わせてくれた。
勝手にふるえてろを見た時はこのまま一人でもいいやという諦めとこんな風に誰かとぶつかれたらいいのにそんな勇気もない惨めさに泣いてしまった。
けれど、なるようにしかならないし気楽に行こうや、おひとりさまでもそうじゃなくても生きてれば人間最高じゃんと今は思えている。
一人でいることは気楽だし傷つかないし疲れないけれど、一人で生み出せることには限界がある時もある。おひとりさまタイムは最高だし大好きなのだけれど、どうしようもない満たされなさで夜寂しくなったりもする。
どう生きたって誰も構いやしない世の中であれよ、、みんな好きに生きればいいし、
側にいるのが誰であろうが、いなかろうが自由だよ〜というのを前提に、もし誰かと生きることで知らない自分を見つけられたり、新しい感情や素敵なものに出会えるのならば恋人がいてもいいのかもしれない。
無論、恋人と向き合うということは自分とも真正面から対峙することになるけれど。
印象的だったのは、"女芸人"の吉住が男に絡まれているところ。声をあげたいのにあげられないもどかしさと女には何でもしていいという見え透いた見下した無神経さに虫唾が走った。
あと、遠いところに行ってしまったように感じた親友に素直におめでとうと言えない歯痒さや自分だけ置いてけぼりになったような感覚も身に覚えがあって悲しくもなったけれど、吐露した瞬間に感情が溶けてあったかい涙が出てきた。
そういう女性や人間として生きていく上で経験する痛みや切なさ、喜び、愛しさをちゃんと描いていながらもポップで、肩の力が抜けるような映画だった〜
渋谷でよく映画を見ていた高校の親友と見に行けて良かった〜
miu

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