KUJIRA

シロナガスクジラ 神秘の王国のKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

胡散臭い。
これはドキュメンタリーじゃないの?
何故脚本家がクレジットされているのか。

純粋にシロナガスクジラの調査を見たいのに、捕鯨問題を取り上げて日本を非難しているパートを絡めて来るのにはガッカリした。

「捕鯨でシロナガスクジラの数が減っている」
この辺りが脚本臭い。

捕鯨は捕獲して良い種類が決まっている筈。
調べてみた。
ミンククジラ、ニタリクジラ、ナガスクジラ、マッコウクジラ。

シロナガスクジラ80トン〜199トンに対し、

ミンククジラ7トン〜8トン
ナガスクジラ50トン〜80トン
マッコウクジラ50トン〜80トン
ニタリクジラは分から無かったが、大きさからして80トン以下だろう。

大きさはシロナガスクジラが20〜30メートルに対して、20メートル以下と言った所。

シロナガスクジラは生息数が少ないが、ミンククジラなんかは数が増え過ぎているとも聞く。

シロナガスクジラが市場で1サンプル見つかっただけで、「捕鯨で数が減っている」は暴論。

シロナガスクジラとナガスクジラの雑種だった事を大袈裟に主張していたが、学者か何かに話を聞くシーンで「そう言う例もあります」って冷静に言ってたけどスルー。

シロナガスクジラの数が減ってピンチになったから、ナガスクジラとのハイブリッドが生まれた。
これも意味不明。
柴犬と秋田犬の雑種が生まれるのは、絶滅しそうだからでは無く、繁殖可能だから。
もし種の壁を越えて子が産まれても繁殖能力が無い。
レオポンやライガーの前例を知らないのだろうか。

ハイブリッドに関して。
「上から見たらナガスクジラだから、間違えて殺したんだろう。」じゃあ責められる事?
調査してる専門家のあなた達ですらハイブリッド知らなかったじゃない。
しかも雑種なのにシロナガスクジラと言い切る所が怪しい。
ナガスクジラを獲りましたが何か問題ですか?とも言える筈。

わざわざ数が少ないシロナガスクジラを捕まえなくても、いっぱいいるミンククジラを捕まえれば良いから、そうしてると言う話でしか無い。
シロナガスクジラが特別美味いとも聞かない。

船の設備的に、シロナガスクジラを捕獲する困難さを他の種類のクジラと比べたら、小さい方が楽なのではと考えてしまう。
浮力とかを考えると大した事無いのかもしれないが。
昔は、カヌーで捕鯨していたらしいので、それを考えたら大きさは問題無い。

こっそりスパイみたいにDNA鑑定している事が謎。
種類は明確に決まっているのだから、堂々と検査して主張すれば良い。

捕鯨を野蛮だと主張する事に何の説得力も無い。
かつては、世界中で捕鯨が行われていたと言う歴史がある。
伝統的に捕鯨の文化がある国は肉やヒゲ、骨に至るまで余さず利用していた。
一方、捕鯨の文化が浅い国は、油目的でクジラを殺し、肉やら骨やらは全て捨てていた。石油がメインになるとクジラは用済みとなった。

どちらが残酷ですか?

石油が無かったら、今でもクジラを殺して、油以外を捨てていたのでは。

肝心の調査は、かなり地味。
冬でも餌を食べているか。
繁殖地はどこか。

「排便をしていたから餌は食べているだろう。」
捕食シーンを撮らないと断言は出来ない。
人間でも、断食して暫くはウンコが出る。
食べ物を消化した残りカス以外にも、腸の壁が剥がれた物、腸内細菌の死骸などが結構含まれている。

「他のクジラは、この時期繁殖期だし、不自然な動きをしていた。だから交尾だ。ここが繁殖地だ。」
かなり無理矢理。
船の上から目視で分かる訳無い。
哺乳類なんだから、合体しているシーンが必須。

「親子がいる。ここが繁殖地だ。」
ここで産んだのか、ここで子育てしているのか不明。たまたまそこにいたと言う事実しか無い。
たった1サンプルで断言とは、学者として如何なものか。

先に、お題を決めてから、調査と撮影を行なっているのでは無いか。
答えが先にあり、事象を理屈付けて当て嵌めて行く作業。
それは捏造への道。
KUJIRA

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