KUJIRA

碁盤斬りのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

評価4.4とは、如何なるものか。
囲碁が分からなくても問題無いとか。

嘘やん!

まず一番初めのシーンで不信感。
碁石を置く音を過剰に増幅させている。
ここは、普通に打ってる自然な音から始めるのが効果的だと思う。

囲碁の打ち筋に、性格や心の有り様が映し出される。そう言う作風。
なのに、外野の説明役もいない。
黙々と対局されても、本来ある筈の情報が伝わって来ない。損した気分。

草彅浪人と國村商人が、対局中に心を通わせていく様は、ニヤニヤ案件。

と言っても、浪人は無表情に黙々と打つだけ。
國村隼の一人演技の賜物。

出会いの対局での悪人顔。
2回目の対局中からの、憑き物が落ちた様な穏やかな顔。
職人芸の域。

斎藤侍との対局も然り。
最早、斎藤匠がニヤニヤしてる。

斬り合いのシーンが2箇所ある。
カットの割り方が悪いのだろうか、何やってるのか非常に分かり難い。

日常を切り取った様なシーンが多い。
それなのに、主人公が仏頂面で無口。
かつ、音楽が和楽器メインでゆったりとしながら緊張感のある感じ。

落語を元にした話らしいが、クスリとも笑えるシーンは無い。
緊張感を持続させながら、ほのぼのしたシーンが展開される。

このアンバランスが居心地悪い。

話の展開が不自然。
50両が無くなった事。
50両返済の為に、娘を遊郭に売った事。
浪人の嫁さんが自殺した事。
侍が浪人を罠に嵌めた事。
侍が掛け軸を盗んだ事。
浪人が侍を敵討ちに行く事。

大事な事、何も話さないから。
話がグチャグチャ。

そんな簡単に話せない程、重い話ばかりではあるが。

一番の問題は、着地がご都合主義過ぎる。
敵を討ちました。
掛け軸取り戻しました。
武士としての名誉を回復しました。
50両見つかりました。
50両の嫌疑も晴れました。
濡れ衣だったら首を斬ると宣言していた両名を斬りませんでした。
約束の大晦日を過ぎたのに、娘を取り戻しました。
浪人の娘と商人の跡継ぎが結婚しました。

漫画でもここまでの展開は無い。
これじゃあ感動の押し売り。

斎藤工のセリフにより、案外草彅が融通利かず迷惑キャラだった疑惑。
こう言う展開は好き。

最後、掛け軸を売って救済しようとする流れは急。

斬ると約束する流れはキャラに合わない。
あれだけ威圧しながら、碁盤切って済ますのも謎。
そんな命のやり取りがあったのに、完全に和解。

端折り過ぎなのか、描写が薄い。
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