くう

ボヤンシー 眼差しの向こうにのくうのレビュー・感想・評価

3.7
ベルリン国際映画祭パノラマ部門上映作品ということで、風景は美しい、美しいけれど、美しいほど現実の酷さがハンパない。

14歳の少年が搾取され続ける労働苦。貧しさもヒエラルキーもどんな国にも階層にもある……理不尽社会が怖いほど描かれる。

カンボジア版「蟹工船」。途中からホラーを見ているような気持ちにすらなってきた。状況が状況なので「海にかかる霧」も思い出す。

金がないどころか愛も無い労働は劣悪のひと言では済まされない。ラストまで苦さしかない。
くう

くう