ひろゆき

ノマドランドのひろゆきのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.2
銀幕短評(#504)

「ノマドランド」
2020年、アメリカ。 1時間48分、公開中。

総合評価 64点。

彼女は孤独だろうか。ああそうだろう。孤独にも いろいろ種類があるけれど、つよさがあるけれど、いたみがあるけれど、一時のやわらぎもあるけれど、そとからそれらは見えない。孤独をまったく感じないひとはいない。そうですよね。


もう書くことがなくなったので、やはり過去感想文をリサイクルします。「アド・アストラ」(#328、63点)の回の全文です。

* * *

孤独 (loneliness)と孤立 (solitude)はちがう。
ふたつを切り分ける境目は、‘寂しさ’ を感じるかどうかです。

わたしは山登りをし、日本アルプスを含めて基本的に単独行(ひとりで登ること)をします。季節によっては、ルートによっては、山中で一日中だれひとりにも行き会わないことがあります。そんなとき、わたしは世界から孤立していますが 孤独ではない。じぶんから好んでひとりで山に分け入っているのだから、寂しさはまったくない。

孤独はむしろ 都会の喧騒のなかにこそ ひそんでいます。そして孤独は 積み増すと耐えがたくなります。

主人公(ブラッド・ピット)は宇宙飛行士なので、ひとから孤立するのは当たり前ですが、そのうえに大きく深い孤独をかかえている。しかし、彼は訓練を積んだ飛行士なので孤立や孤独を押さえ込む あるいはコントロールする術(すべ)をある程度知っている。そうして漆黒の宇宙の深淵にどんどん突き進んでいきます。

かれの孤独をいやすことは、一筋縄では行きません。これは その孤独を味わえる映画です。

(短くコメントしました。)
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