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ベイビー・ブローカーのentamickのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

存在の肯定。
名シーンが一杯。

捨てるなら産むなよ、冷たい目で呟くスジン。
洗車中のハプニングに湧く擬似家族。
電車の中で交錯する光と闇に晒されるソヨンの顔。
高所に当てられ弱った中、また洗車がしたいとねだるヘジン。
困り顔で頭を撫で回すサンヒョン。
全てをやり直せたらいいのに、観覧車から外に眼を向けるソヨン。
ソヨンの涙を手で覆うドスン。
ドスンの腕をギュッとつかむソヨン。
電話で夫に流れている音楽を聞かせ、涙するスジン。
暗闇の中に響くソヨンの声。生まれてくれてありがとう。
ヘジンが言う、ソヨンも生まれてくれてありがとう。
唐突に駆け出すソヨン。
車の中で揺れる家族写真。

全体的に起伏が少ないせいか、前半部で眠くなり、2回ほど時計を見ました。
またラストの方でわかりにくい部分や、無理を感じた箇所がありました。(特にサンヒョンが殺人を犯すほど人生をかける動機が見出だせなかった)

マイナス要素は感じつつも、画面の美しさ、光と闇の使い方、声の響き、鑑賞後の余韻等、巨大スクリーンと大音量でこそ味わえる良さが散りばめられていました。

映画館から出て太陽を仰ぎ見た時、優しくなりたい、そう思いました。
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