このレビューはネタバレを含みます
フリー・ガイもそうだし、ロンもそうだけど昨今AIの自由意志の獲得や肯定を描く文脈の映画がアツい。そんな中で迎えた本作はまさに自分が大好きなテーマとマインドに溢れた作品だった。
シオンの出自とこれまでの経緯が明かされる後半。幸せを願っていたのはシオン自身も勿論そうなのだけど、そもそもの改造を施したトウマの願いであり、AIの自己進化と何年もの間サトミをずっとネットワークを介して見守り続けたシオンのシーンで完全にこの映画に射抜かれた。
「寄り添う」事の意味とは何か。「幸せ」の定義とは。そんな曖昧で抽象化された概念を「知らない」と序盤に言い放ったシオン自身が誰よりも理解していたのだろう。
機械と人間がテーマの作品が多くある中で、新たな境地を見出した作品と言っても過言ではない。
シオンは間違いなく、今も何処かでサトミを…
