「いつでも見守ってる」
「イヴの時間」の吉浦康裕が原作・脚本・監督を務めたオリジナル長編アニメ。見た目人間そっくりのAI「シオン」が、主人公サトミを「しあわせにしてあげる」とか言って転校してくる、ハートフルな青春物語。
AIと人間の友情っていうのはベタだが、この作品もそのベタ路線。でも良いベタさ。最初はぼっちだったサトミが、一見めちゃくちゃな行動しているシオンによって、徐々にクラスメイト達と仲良くなっていく。この爽やかな青春さは嫌いじゃないので面白かった。
シオンの突飛な行動力の延長線上なのか、いきなりミュージカルさながら歌いだす。最初はミュージカル映画かよと思ったぐらい、何回も歌いだすし、やたら幸せ？幸せ？と連呼してくるのでちょっとホラーぽいかとも感じたが（実際中盤当たりでそういうホラー風な描写を取り入れている）、実はこの歌いだすコトにも理由がある。その理由が明かされる場面には号泣した。ちょっとした伏線もあって、種明かしと同時にワンワン泣いちゃったよ。まあ、一歩間違えれば危険なので怖いっちゃあ怖いが。
シオンが作られた会社の背景がちょっとやり過ぎじゃないかってぐらい見てられんかった。皿投げる母親が怖すぎ。
ご都合主義な展開と力業で押し切る場面も少なくはないが、上記の種明かしの場面で感動したし、青春映画に必要な友情や成長もこれでもかと詰まっているので、AIに抵抗が無ければオススメです。
