「救いのない戦争映画」
日本の原爆開発を背景に時代に翻弄された若者たちの姿を描き、2020年8月にNHKで放送されたドラマ「太陽の子」を、ドラマ版とは異なる視点で描いていく劇場版。故・三浦春馬が出演しているが、本作が三浦が出演した作品の中で最後に公開される作品となった。ご冥福をお祈りします。
広島原爆の話なんだが、戦争モノとして他の映画と異なる点として、科学者達の原子力爆弾の研究の葛藤が主に描かれている。皆さんご存じの通り、この研究は成功することなく原爆投下される為、とことん救いのない話になる。
ので、そこまでの若者3人の等身大の描き方というのが見所なんだが、結構地味に淡々と進むし、研究室の人達はかなりギスギスしているので見るこっちもストレス溜まるというか。あと原子力爆弾の研究なのか知らない単語と頭が痛くなる計算式の話が多いのも辟易気味になる。
そんな中、三浦春馬演じる裕之が徴兵から帰ってきてまた出撃するまでのドラマはなんか良かった。途中自殺未遂とかするトコなんかリアル。ってかこの兄弟の演技力でこの映画は最後まで見れたかなと言っても良いぐらい。
1945年にしては所々キレイさが浮き彫りになってて現実に引き戻されたりするし、戦争の裏側をこうだったんですよ、ぐらいのコトなので、どうにも掴みどころの難しい映画だったなあ。落ち込みたい？時にオススメ。
