FutosiSaito

シカゴ7裁判のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
3.9
 『ペンタゴン・ペーパー』に次ぐ「アメリカの法の正義」もしくは「法の精神」をテーマにした作品。法廷では公平に正義が問われるべきで、それは民主主義と国民のためである、決して権力のためではないというものだ。 
 『ソーシャル・ネットワーク』や『マネーボール』で秀作の脚本を書いたアーロン=ソーキンは、法廷と争点に該当する過去のシーンを交錯させ、テンポよく見せてくれる。
 ベトナム戦争反対デモが「シカゴ暴動」となった事件の首謀者として被告となった「シカゴ7」の構成も、ブラックパンサーに、ヒッピーに、金持ち大学生に社会運動家に……と面白く、それを演じる役者陣の演技もすばらしい。
 正統派の?学生運動リーダー、エディ=レッドメインも適役だが、特に巧いのはサーシャ=バロン=コーエンだ。あの『ポラット』でハチャメチャをやっていたのとは対照的に格好いいところも見せてくれる。
 ネットで事実や背景を調べるほどに楽しめる、社会派のエンターテインメント、それがこの映画だ。
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