グラッデン

サン・セバスチャンへ、ようこそのグラッデンのレビュー・感想・評価

4.0
『カフェ・ソサエティ』以降、ウディ・アレン監督は自身の原点であるNYを舞台にした作品を手がけてきたが、「キャンセル」の流れで再び国外へ。

大学で映画史を教える批評家の主人公が、ウディ・アレン映画の仕草する物語。作風は全くブレておらず、舞台がサンセバスチャンであることを除いて新鮮味はないが、近年多くの著名な映画監督が手がけている【映画の映画】を彼も作っていたということに現代性を感じたり。

ハリウッド黄金期、あるいはヌーベルヴァーグのように映画の輝かしかった時代への想いが滲み出た脚本は、過去の作品にも垣間見れた部分もあるが、かなり前面に押し出されたことで私小説の趣がある。

ウディ・アレン監督の映画がTOHOシネマズシャンテ、ル・シネマでかからないのは寂しいが、映画館で見れてよかった。