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愛のまなざしをのmareのレビュー・感想・評価

愛のまなざしを(2020年製作の映画)
4.0
違和感、不信感だらけで正しくない感情の揺れ動きに絡め取られた男女の転落劇。日本映画でファムファタールが強調された映画というのも自分としては新鮮。映るものや動機の一つ一つが妖しく、保身とエゴに正直であり続ける姿勢が状況を次々と悪化させるニヒルなサスペンス。キャラの行動心理への共感は二の次で、やはりこの昼ドラ的なドロドロの不健全さに監督らしさが窺えて結構見入ってしまう。後悔を重ねていくごとに用意されたドラマが展開されていくなかなかに救いのない道のり。侵食するように一ヶ月、二ヶ月と自身のこととなると客観性を見失う男の撹乱と崩壊。作品数が少ないから万田邦敏のサスペンスをもっと欲してる。「接吻」のような衝撃がまた見たい。
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