シネラー

ドラゴンボール 神龍の伝説のシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
仕事の最中で
同僚から鳥山明先生の訃報を聞き、
そのあまりに突然過ぎる
逝去にショックを受けつつ、
帰宅後『ドラゴンボール』
初の劇場版である本作を再鑑賞。
少年だった悟空の冒険の始まりに
新しい要素を加えた、
懐かし味ある初の劇場版だった。

物語は原作冒頭である
孫悟空とブルマとの出会いから始まり、
同じくドラゴンボールを追い求める
グルメス王国のグルメスと対峙する
アドベンチャーが描かれ、
原作初期エピソードに新たな要素を
盛り込んだパラレル映画となっている。
ピラフ一味やフライパン山での
チチとの出会いといった
エピソードが割愛されながらも、
原作初期のドラゴンボール探しが
テンポ良く凝縮されていて良かった。
その上で原作を下地としたIF展開と
言える内容に面白味があり、
50分という短い中で少年である
悟空の冒険譚が描かれていると思った。
原作の流れを踏襲しているだけに、
『ドラゴンボール』の入門映画としても
良いと感じられた。

敵であるグルメスなのだが、
見た目まで含めて単純な怪物と言える
キャラクターで少々物足りなさが感じられた。
又、原作を知っている故に
好きな場面や細かいエピソードが
無かったりするのは残念でもあった。
加えて、悟空がヤムチャとの戦い以外で
あまり活躍していない印象なのも
気になるところだった。

物心ついた頃には悟空の絵を書き、
職場で気合いを入れていく時には
亀仙流Tシャツ着て行く若輩者ですが、
『ドラゴンボール』を生み出してくれた
鳥山先生には感謝しかありません。
『ドラゴンボール』以外にも
『ドラゴンクエスト』シリーズの
デザインや『Dr.スランプ』といった
作品で多くの夢を与えてくれて
本当にありがとうございました。
御冥福をお祈り申し上げます。
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