順慶

サマーフィルムにのっての順慶のネタバレレビュー・内容・結末

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「未来に残る映画をつくる」というセリフは、本作自体にも問われるブーメラン。いろいろ意見はあるだろうけど、今年の邦画を代表する作品だと思う。

高校生の映画部が学園祭に向けて映画をつくる。で、自分の脚本が採用されなかったハダシは、映画部以外の仲間を集めて、映画をつくり、学園祭で上映するという物語。それにまさかのSFがからんでくる。
天文部のビート板が読んでいる「時をかける少女」や「夏への扉」で、タイムリープを示唆する。

絶妙にかわいくないハダシたちだけど、とても魅力的に見えてくる。元乃木坂って言われても知らなかったけど、これで伊藤万理華を覚えた。

時代劇好きのハダシが撮る映画の説得力は、殺陣のシーン。剣道部から殺陣を習うという無茶な設定だが、迫力があってよかったと思う。ハダシ自身のなかなかキレがあった。

で、「映画だいすきポンポさん」のセリフを思い出す。「君の映画の中に君はいるか」。
ハダシは編集をした後も自分の作品の解釈が自分にとって正しいのかを問い続ける。

そして上映会本番。上映している映画のクライマックスが、本作のクライマックスへ。
ハダシの熱い想いに、涙が止まらなかった。
順慶

順慶