タカ

激怒のタカのレビュー・感想・評価

激怒(2022年製作の映画)
3.9
安心、安全、富士見町

「みんなが見てるよ」って誰が見てるんだ!
自警団ってのは何が基準の正義なんだ!
監督の疑問がこれでもかと詰まった映画
街中で見かける“歌舞伎の目ステッカー"は何なのか?
歌舞伎町を、闊歩するガタイの良い自警団は何なのか?
日常で積もったフラストレーションをテーマに見事エンタメに昇華した映画‼️

オープニングクレジットのパンク感
始まりからして作品の雰囲気が出来上がっている
劇伴が作品に見事マッチしていて、退廃感を感じる
「町内には町内のルールがあります」という国家権力を凌駕するディストピア
主人公が渡米していた後に何があったんだ!という変貌ぶり
"正義""統制"の名の下の暴力支配は今までにないものだと感じる
少なくとも邦画ではなかったんじゃないのかな
統制側の容赦なさが絶望的で恐ろしい

「俺はお前らを殺す」
『激怒』のタイトル通り、主人公が見事に激怒します(笑)
主人公の横暴っぷりが酷すぎて肩入れしたくないし、「結局何も変わってないじゃないかお前は」と思うのだけど
どうしても感じてしまうカタルシス
明らかに不条理な権力統制だから致し方ない
ディストピア世界を是正するバーサーカーは結局応援したくなる❗️

損壊した人体パーツで人を殴り続けるという監督のホラー愛を感じつつ
救いようのない話なのになぜか爽快感を微かに感じた作品だった
タカ

タカ