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デニス・ホー ビカミング・ザ・ソングのあんずのレビュー・感想・評価

4.0
香港は、沢木耕太郎の『深夜特急』を読んで以来、憧れの地。長い年月が経ち、本の中の香港とは大きく変わってしまったに違いないけれど、返還後、まさかこんな窮地に立たされることになるとは。

最近、周庭氏が釈放されて香港のことが気になったので、デニス・ホーのことは知らなかったが、今観ておくべきだなと思っての鑑賞。

映画の中で見る限り、デニス・ホーは「清く正しく美しく」の宝塚トップスターを地で行くような人✨歌声も素晴らしいし、ステージでのオーラもスゴい。でも、彼女はアーティストとして商業的な成功を捨ててまで、香港の自由と民主化のために活動し、その途中で隠していた同性愛者ということも告白。格好良すぎる❗日本でも状況次第では、こんな気骨のあるアーティストが出て来るのだろうか。

雨傘運動はニュースでちょろっとしか見たことがなくて、こんなに大規模で激しく衝突をしていたんだと今さらビックリし、恐怖を感じた。彼女はこの運動などを通じて、憧れの師匠アニタ・ムイを真似するでも商業的に求められるスターでもなく、真に彼女が表現したいことを表現するアーティストへと進化して行ったように見えた。魂のこもった彼女の歌をゆっくり聴いてみたい。

『小さな村の小さなダンサー』でも感じたけれど、本当に中国って恐ろしい‼️
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