てるる

赦しのてるるのレビュー・感想・評価

赦し(2020年製作の映画)
3.5
TIFF2020の9本目!

重い。
とんでもなく重苦しい。

厳しい父親にいつも怒られているアジズ。
ある日、父親の猟銃で弟を撃ち殺してしまう。
そんな状況で家族は立ち直れるのか。

前半は思いの外、家族の関係に時間を割く。
いつも比べられる兄弟。
積りに積もった鬱憤。
そして訪れる衝撃の瞬間。

その後、家族それぞれの苦悩を嫌という程見せつけられる。

ずっと息が詰まる。
苦しい。

これがせめてアジズがエスター並に悪魔的な性格ならまた違うけど(ジャンル変わるだろ)、アジズ自身もトラウマ。

アジズがまた毎度毎度バカすぎて、親父が怒るのも分かる。
なぜなら僕も同じく怒られると分かっているのにバカなことをして怒られまくってたから。

たぶんちょいADHDとかの気があるんじゃないかな。

だから逆に父親の気持ちだって分からんでもないし、整理には時間がかかるんだろう。

でも銃の管理の杜撰さ、何故そんなことが起きてしまったのか考えもしない父親には辟易とする。

それにあそこまで向き合うことを避けるのは逃げでしかないよなぁ。

そして1番苦しい立場の母親が取った行動だって責められない。

とりあえず父親の同僚のおじいちゃん良い人だった。

正直ラストは尻切れトンボな印象もあるけど、これ以上続いてたら心臓が耐えられないかもしれない。

とはいえ、この家族のその後を描いて欲しかったのも事実。

映画が終わった後、拍手はあったけど誰一人として一言も発せずにシアターを出ていったのも印象的だった。
てるる

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