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皮膚を売った男のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
1.5
[現代アート、おちょくってみたwww] 20点

"自由が欲しい!"と叫んだせいで故国シリアを離れざるを得なくなった男が、現代芸術として"商品"になることで越境するアートパフォーマンスに参加する話。詳細で精巧な面白さよりもシリア難民をモノとして扱う挑発に重きを置いた浅い映画で、静まった池に石を投げ込んだときの波紋を見るというより、沈んでいく石を追い続けるような作品だった。そもそも、シリアに関する問題と現代アートに関する問題という大きなテーマが互いを食い合ってるのに、そこにサムの恋愛をぶち込むせいで余計混沌としている。というか、そっちを逃げ道にして波紋そのものとの直接的な対決を避けているのがとてもズルい。問題だらけの世の中なんだから、問題をスポットライトの下に引きずり出しておちょくるのは誰でも出来るし、それを"風刺"と居直るのはダサすぎる。

全体的にヌルいし鈍らなんだが、ラストが特に最低。あんなんがまかり通るなら映画も現代アートも滅びていいし、そんなんが許される世界にいたくない。"バカお前、ほんとに死んだかと思ったじゃねーか!!"→泣きながら抱き合う、じゃねーんだわ、ちょっとした味付けにテロ組織出して『オーシャンズ11』みたいな華麗さ気取ってんじゃねえぞ、アホ!!
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