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私は確信するのmaroのレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
4.0
2021年日本公開映画で面白かった順位:9/34
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

実話ベースの濃厚な裁判映画だった。
裁判員の経験がある身としては、当時のことを思い出しながら観れる点で、身近に感じられたよ。
いや、だからこそより一層面白く感じたのかもしれない。

妻の失踪から夫に殺人容疑がかけられるのだけど、一審の無罪判決を控訴したのが検察って、よほど検察は有罪の証拠をつかんでたんだろうね。

でも、話を聞いてみると、物証は乏しく、仮説ばかりで、とても有罪を断定できる要素がない。
よくこんなんで控訴できたなって思うけどw
被告を陥れようというより、単に警察と検察が雑な気がしたなー。

この映画の見どころは、協力者のノラ。
彼女の息子が、ヴィギエの娘に家庭教師をしてもらっている関係で知り合い、彼の無実を証明するために奔走する。

本職は料理人だけど、250時間にも及ぶ通話記録の文字起こしや関係者へのヒアリングを通じて、真実に近づいていく過程はスリリングだった。

特に演出の仕方が面白くて。
ノラの働くレストランの伝票を渡すカットと提出書類を渡すカットをミックスしたり、ベルを鳴らす手と証人が宣誓を行う際に挙げる手をミックスしたりと、忙しい本職の合間を縫って裁判に参加している様子がよく伝わってくる。

この裁判の行く末はその目で確かめて欲しいけれど、フランスでは年間4万人が失踪し、そのうち1万人が謎の行方不明らしい。

こう言うとなんだけど、生きてるのか死んでるのかわからない状態が一番辛いよね。。。
メールやLINEとかでも、相手からの返事がNoよりも無視が辛いように、「わからない」という状況が、最も精神的に辛いと感じた。
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