ウシュアイア

劇場版ツルネ ―はじまりの一射―のウシュアイアのレビュー・感想・評価

3.5
TVシリーズ視聴済み。弓道経験者。

TVシリーズでは創部1年目の県大会までの快進撃までのお話で、本作は完全新作ではなく、新カットと回想シーンを交えた県大会予選以降のお話の総集編。

TVシリーズを観ていて本筋は経験者が集まったとはいえ、こんなトントン拍子で行くもんかい、といった印象だったし、主人公のメンタルの弱さと親友の共依存的な関係にやや辟易したものの、Free!に比べて競技に向き合う姿勢が至ってストイックで、特に同期の海斗やライバルの愁のピリッとしたキャラクターでバランスがとられている。

(個人的には弓道を題材にした作品ならば『ブルーピリオド』の主人公のようなロジカルに考え努力するタイプの方がサクセスストーリーとしてしっくりくる気がする。)

TVシリーズの細かいシーンやセリフはいい感じに忘れていたので、それなりに楽しむことができた。経験者から観ても弓道の所作の再現性や臨場感は制作の上流部に経験者がいたのではないかと思うほど。新規で追加されたと思われるシーンには自分の経験にも重なるところがあり、個人的にもとても感慨深かった。

では、TVシリーズを未視聴の人が楽しめるかというとちょっと微妙。
あまりにも登場人物の説明が少なすぎる。同じ総集編なら「かくしごと」の方が分かりやすい。
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