リミナ

劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリアのリミナのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アスナ視点での原点回帰となる劇場版SAO第2作。

リブートということでTVシリーズ第1期と同ゲーム内での第1層が中心に描かれるが、同じシチュエーションのシーンは、キャラの表情などは当時の作画を意識つつもカメラワークや撮影処理で差別化を図っていた。
ただ、過程を省くようなカット割りや強めのモーションブラーも時折あり、却ってアクションにおけるキャラの動きそのものをはっきり描かない・見えにくいというマイナス面の印象が強くなってしまっていた。
悪く言えば誤魔化していたように見える。

また、本作の見せ場の1つであろうアスナとミトが互いに髪を結うシーンは、素人目でも作画難易度が高いことは察せるが省略しないで描き切って欲しかったところ。

キャラ作画は全編に渡って整っており、フェチが垣間見えるシーンもいくつかあるので、そうした層へのキャラクターコンテンツとしては好印象なんだろうなと。

個人的な作画的見所
・序盤のハチ型エネミー戦の構図やレイアウト
・PVにもあるミトの鎌捌き
・田中宏紀氏パートと思われるアスナがローブを脱ぐ辺り
・その他、第1層ボス戦のアクション

音響面はドルビーアトモスやIMAXなどにも対応しており、閉鎖的なダンジョン内での剣による残響音の響きが感じられ臨場感があった。おどろおどろしい梶浦由記氏の劇伴との相性も良き。

声優も放送当時に寄せた演技だったり、アスナ視点でもキリト側のオマージュ描写があったりと懐かしさも感じられた。そこにオリジナルキャラのミトが作品に馴染んでアスナの思考に影響を及ぼす描写が腑に落ちる展開で、内容面は楽しむことができた。

公式パンフレットにクレジットが未記載のため全容は不明だが、アリシゼーションに不参加だった初期スタッフの名前もスペシャルサンクスにあったのは胸が熱い。

続編もあるようだが、もう自分が好きだった頃のSAOのアニメーションは戻ってこないんだなと寂しい気持ちは否めない。作画が前面に出た剣戟アクションが一番の醍醐味であって欲しかったんだ。
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