無名の漫画家が作ったキャラクターが作者の知らぬ間にインターネットミームとして広まり、やがて政治的シンボルに悪用されて行くという現代SNSの恐ろしさを描くドキュメンタリー。
「ぺぺ」というキャラを全く知らなかったので、2016年の米大統領選の裏でネットがこんなに影響を与えてたことを知って驚いた。作者のマット・フューリーが見るからに穏やかな好青年で、現状を黙認するうち取り返しのつかない事態になって行くのが怖い。4chanでニート達が叩く「ノーミー」は日本の2ちゃんで叩かれる「リア住」と同じで、ルサンチマンの構図はどの国でも同じなんだなと思った。
ぺぺの造形が単純で誰でも描けることと、表情に自由に感情を込めやすいところがネットにハマったんだろうね。題名の意味が何だろうと思ってたらぺぺがフルチンでオシッコして「気持ちいいぜ！」って言う決めゼリフなのね。全然関係ないけど夏帆が「アイアムフルチン！」って叫ぶ「うた魂」って映画があったな。
ぺぺが香港デモで希望の象徴となる展開はジーンと来た。終盤でマットが訴訟で争うことになる陰謀論者の下品な話し方がトランプそっくりだったね。
