味噌のカツオ

偽りの隣人 ある諜報員の告白の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

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韓国映画には実際の史実を元にした政治ドラマがいくつか存在します。
いずれもヘビーな語り口で、見ごたえのある作品となっておりますが。

今作のストーリーの軸は、現政権に一石を投じる野党政治家が立候補を目指すというところになりますが。前述のような重いお話ではなく、基本コメディタッチで描かれています。

(ベースとなる事象はあったそうですが)そもそもがフィクションの作品。舞台は1985年と謳われていますが、実話ではないということで。
ただし、こうしたことがあっても不思議ではないという時代背景ではあるのかな。国家による弾圧の厳しさは伺い知れます。

その一方で、2020年代に生きているわたくし的には、韓国で大統領は みな悲しい末路をたどっているという印象も濃いんだけどね。

序盤の 汲み取り便所での場面から食事シーンへ移行して、「この手は洗わないぞ」という流れとか。
家に忍び込んで、帰宅したお手伝いさんと右往左往するコントさながらのシーンも面白かったけど。

一方で権力闘争たる描写であったり、娘が巻き込まれる展開は かなりシビアに受け止めました。

クライマックスもそれと同様なシチュエーションになっていくのですが、主人公がとった まさかの解決方法には参りましたけど(苦笑)
それも許容する雰囲気を持ち合わせた映画でもありましたね。

そんな政治ドラマとコメディパートを混在させつつ、二人の男が交わした約束のために向かい合うという場面は、またそれまでとは違った熱度を感じて。
韓国映画らしいユルさとハードさを楽しめて、笑って泣ける映画。見て良かったです。

きっと「夢想花」も放送禁止だな。
味噌のカツオ

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