空海花

マ・レイニーのブラックボトムの空海花のレビュー・感想・評価

4.0
チャドウィック、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞おめでとう👏👏👏
ボストン・オンライン、ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコ映画批評家協会賞などでも受賞🎊ということで
しみったれた気持ちで観たくなく
延ばしていましたが
受賞を記念して意を決し鑑賞。
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監督は劇作家として名高いジョージ・C・ウルフ。
制作にデンゼル・ワシントン。
原作はオーガスト・ウィルソンの戯曲。

「約束の地へ」
1927年、その地に希望を求めた人々は─

ジョージア州バーンズヴィル
マ・レイニー(ヴィオラ・デイヴィス)のステージに熱狂する人々。
マ・レイニーは“ブルースの母”
アフリカ系アメリカ人達の希望である。
舞台とマはシカゴのレコーディングスタジオへと移動する。
そこには野心家のトランペッター、レヴィー(チャドウィック・ボーズマン)が所属するバンドが居て、彼女のバックバンドを務める。

マ・レイニーは知らなかったが
ヴィオラ・デイヴィスの迫力ある、
なりきった演技が素晴らしい。
北部でも人気はあるがピークからは少し進んだ時期の彼女。
我が儘放題にしているが、思慮は深い。
誇り高き女性。
レヴィーは才能さえあれば何とかなる、
希望と野心を持ってこの地にやってきた若者。
バンドメンバーの渋いベテラン勢たちの
長い経験とそこからくる折り合い。
元が戯曲だけあって舞台劇のような作り。
次第に内々にあるものが表出し、
それぞれが独壇場で発する台詞や語りが
ズシンとしたビートの様に強く胸を打つ。
演奏、歌声にも聴き惚れる。
チャドの痩せた身体から、発せられる力強さ。
回想するレヴィーの姿が印象的だ。

ほぼ室内で繰り広げられる舞台劇だからこそ、演技や台詞で勝負された作品。
時折映し出される外側の演出、モチーフにも意味を強くもたらす。

吐露される魂の叫びは熱く深く
詩篇というより音楽のようなもの
やはりブルースなのだろう。


2021レビュー#054
2021鑑賞No.91


今のアメリカ映画の流れ
これからの映画界を引っ張ってくれる人物だと思っていただけに、
惜しい才能を喪った悲しみは深い。
でも悲しんでばかりもいられない。
感謝と賞賛の気持ちだけを贈ります🙏
空海花

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