かなり攻めていて面白いです。サイコキラーを扱った日本映画はストーリーが破綻してしまう傾向が高いのですが、本作はPG-12レイティングのギリギリ線内を保たせる非凡な構成で魅せられました。
そしてフジテレビ＋東宝が製作と云う色んな意味でのマイナス与件も払拭しています。
本作上映前の予告編でも２本の主演作が確認できる“いつ休んでるんだよ”状態の菅田将暉さんは相変わらず達者であり、初の演技とは思えない“SEKAI NO OWARI”Fukaseさんは類い稀なるサイコキラーぶりで俳優デビューの錦を飾り、高畑充希さんがブレない安定感を示し、『罪の声』に続き魅力的な刑事役で小栗旬さんが俳優感を押し上げて、実質刑事コンビとなる中村獅童さんへの橋渡し方も非凡です。
個人的に相性が良い永井聡監督のセンスが光る演出も功を奏し、家族４人に特化したエグい刺殺体を数多く見せながらも、直接グサリ模写は避けていた上でのクライマックス直前にある主要登場人物をグサグサとやっちゃう意外性も含めて、テンポの良い見所満載なサイコ・サスペンスとして成就しています。
