8637

キャラクターの8637のネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

これぞダークなエンタメ!感想を書く余地のない程に、その出来上がった物語に入り込めた。ビジュアルと劇伴の格好良さだけでも再見の価値があるし、何を差し置いてもオープニングが素晴らしい。反対に「キャラクター」というタイトルながら人物の造形が甘めだったのは難点。ていうか、模倣殺人ってめちゃくちゃ大変なんですね...笑

殺人漫画を描くのなら、逃れられない宿命なのかもしれない。異能な二人が出会う時、既に悪夢は始まっている...
Fukaseはもはや風評被害なレベルで「サイコパス役が似合ってる」と言われるようになったが、そう言う自分も同感。両角のぎこちない居座り方が、まだ荒削りの"新人役者"にとても合っていた。

それと、意外にも"才能論"がストーリーに反映されている事に驚いた。引き込まれる世界観が出ないと売れない、と悟っていた。だけど売れたから新居に引越して、会話しなくなって、初心が消え去っていく。山城にはそんな姿も昔の低姿勢な様子も両極端に残っていた。

そしてまさかこの映画を自分が"四人家族の一員"として語れるとは思わなかった。ダガーも両角も、"幸せな四人家族"に拘って殺人を犯す。もし彼のようなキャラクターが実在した時、自分が殺されるかどうかはその家族の「幸せ」を問われるのと同等だというわけだ。殺されるも生き延びるも、どちらにせよ恐怖なんだよね。

ラストひとセリフは確かに投げやりだな。パブリックイメージの方ではない、自分の根底にある自身の"キャラクター"への問いかけのような感じはあったけどモヤモヤする。しかし、今日の為に聴かないで来た主題歌が本当に良かったので問題ない。
8637

8637