殺人場面のグロさとFukaseのキャラクターに頼っただけの映画だろうと高を括っていたら、残り40分の展開は予想を超えたものであった。
殺人を見てしまった漫画家がそれを漫画に描いたら、その犯人であるシリアルキラーが漫画どおりに殺人を犯していくという設定だけで終わらせなかったのが本作の良かったところ。
ただ、本作では警察が間抜けすぎる感がある。
犯行現場に遺留物をたくさん残していそうなので、別の人物を誤認逮捕することはあり得ないし、犯行後あれだけ血まみれで家まで帰っているので目撃者なんてたくさん居ると思うのだが…
それに、肝心の最後の犯行も防ぎきれなかったりと、いろいろ間抜けではあるが、すぐ捕まえられてはストーリーが成り立たないので仕方ないところ。
そんな感じで、警察の動きには理解し難いものがあるがストーリー自体は良かったし、Fukaseの演技もなかなかのものだったので、もうちょっと話題になっても良かった映画だなぁとは思うが、まあ観終わってスッキリする映画では無く、何とも言えない不安感が残る感じで晴れ晴れとした気分にはなれないし、あの殺人場面のグロさは好き嫌いが分かれところなのかも知れない。
自分的にはこの映画以来FukaseをTVで見ると、コイツ実は危ない奴なんだと思ってしまったりして…
