サッカーと映画観るのがすき

ハウス・オブ・グッチのサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.0
ちょっと前に「最後の決闘裁判」が公開されたばかり。数ヶ月後に立て続けに本作が公開。御歳84歳にしてどんだけのエネルギーだよ…リドリー・スコット恐るべし。
その「最後の決闘裁判」では、中世の男性社会・慣習をとおして男性の見栄や身勝手さ、愚かさを絶妙に皮肉ってみせた。今回は女性の欲望と嫉妬をえぐりつつ、やっぱり阿呆な男どももしっかり描く。リドリー・スコットという人は人間の醜さ・腹黒さのようなダークサイドを描くのが巧みですよね。よくよく考えてみれば「エイリアン」シリーズでも仲間割れや裏切り・騙し討ちみたいなキャラやシーンがお約束になっておる。

さて本作ですが、いろいろてんこ盛りですね。
イタリアンマフィア・ファミリービジネスものでもあり、”華麗なる一族”のような家族の愛憎劇でもあり、”黒革の手帖”のような野心に燃える女の話でもあり、企業経営争い・買収劇でもあったり、ほんでもって昭和の昼メロや二時間サスペンスのような金と痴情のもつれの末の殺人事件だったりもする。
いろいろ盛り沢山ではありますが、個人的な感想としては、タイトルどおりに波乱万丈・破滅へ向かう”GUCCIファミリーストーリー”をよりハードボイルドに描いて欲しかったかなぁ。で、そうなるとコレは…リドリー・スコット御大には大変失礼ながら、マーティン・スコセッシ監督で観てみたいと思ってしまったのは私だけではないのでは?

でも、なかなかの長編(160分?)ながら、しっかり面白くって観入ってしまいましたけどね。
レディガガ&アダムドライバー、アルパチーノらの演技と、エレガント・セレブリティなお屋敷やペントハウス、ショールーム、そしてGUCCIでかためたゴージャスなファションのなせる技かもなぁ。とはいえ庶民目線的には感情移入できるキャラも価値観もぜんぜんなかったけどね(遠い目) w
あとで実話やネタバレをあさっていて当時の本人写真を見たのだが、レディガガ&アダムドライバーの本人再現度がメチャ高くてびっくりした。よかったらググってみてくさい。激似でウケますよ。
そうそう!あと”二時間サスペンスのような”といえば、終盤のネジ飛んじゃってるパトリツィア(ガガ様)が山村もみじに見えて仕方なかったのは私だけ? www