イベリー子豚

愛のくだらないのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

愛のくだらない(2020年製作の映画)
3.6
「『フタリノセカイ』延長戦」
「登場人物8割ノンデリカシー」
「主人公のモラハラ度はパトリツィア・レベル」
「制作局あるある??なしなし??」
「いや長期交際中年カップルあるある!」
「笑いは少なめ」
「予算も少なめ」
「根矢さんが出てくると
【待ってました!】ってなるよね」
「今日も人類史上最強・直毛 櫻井くん」





これは少し期待をし過ぎた節がありますね。

「意識高い系」「有能風、無能」
「1を聞いて0.8の仕事をこなす」
「私はこんだけ頑張ってるのに評価されない」と
ちょっとイタめ、
「環境のせいにしがち」な主人公。

多分、周りに1人はいるし
なんなら
「拒絶反応起こしてますけど
アンタもそういうトコあるよ?」なんて
ザワザワさせるんですよ、この人。

なのでクライマックスの種明かし以降、
もう少し【成長】というか【反省】があればなぁ……といったところ。

10代、20代前半なら
「若いねぇ~のびしろしかないわ~」って
微笑ましくても
40近くて実力も人間性も不足しがちじゃ
正直、キツイ。

「人のフリみて我が身」系の教訓ドラマだとしても
もっとキレイな落とし所はあったのでは。

そして
ミニシアター的ストーリーに
ミニシアター的演出、
ミニシアター的キャストと
ミニシアター的セットと映像。

とにかく【間】までがミニシアター・テンポ。

MV、1曲分のエピソードを
むりやりシネマライズしたような水っぽい味。

ここにセンスワードやキレのある小ボケ、
思いきったシーン編集があれば……。

でも逆に
このチープさ、洗練されてなさが
魅力だったりするのかしら。


唯一、手島さん演じる【サキコ】だけは
透明感があり嘘も無理もない人物だったような
気がします。


この映画でしか得られないものは
あまり無いかもしれませんが
最近、「人に優しく出来てない」
「他人に興味を持つ余裕がない」人に
「キッカケを与えてくれる」
かもしれない作品ではありました。