ベトナム戦争で6歳の頃にイギリスへ逃亡した主人公が何十年ぶりかにベトナムに戻るお話。
外見から英語が分からないと勝手に判断され簡単な英語で話される。旅行客向けの観光ツアーに参加する。マッチングアプリで相手を探してはただ身体を重ねるその姿からも、ゆらゆらと漂うように生き、「根付く何か」が欠如しているのが分かる。
テーマを2つ上げるなら「アイデンティティ」と「戦後の生活」なのだけど、どちらも自分は経験が無いから知らない世界を知れたことは収穫。後者については勉強しておくとより深くこの映画が味わえるのだろう。
あとはカメラワークに監督のこだわりが見えた。静かに流れていくワンカットが多め。息を飲むような美しい蓮のピンク、あの空間をずっと俯瞰で眺めていたいわ〜。