MONSOON/モンスーンの作品情報・感想・評価

「MONSOON/モンスーン」に投稿された感想・評価

seaslug70

seaslug70の感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

評価されてる理由はわかるんだけど個人的に刺さらなかったなあ。

バイト先のベトナム人と仲良くしてて、ちょーーーーーーっとだけベトナム語がわかる私ですが、それよりもちょーーーーーーーっとだけベトナム語がわかりそうな、ベトナム戦争でイギリスに移り住んで30年ぶりに帰ってきた人の話。私の親しくしているベトナム人は飲みに行っても梅酒とか飲んでるんですけど、やたら本作ではビールばっかり飲んでました。年齢的なものなのかな?

ベトナムに限らずアジア諸国はここ数十年での発展が急激なこともあり、彼らのような祖国を離れざるを得ない理由があって離れた人々にとって、故郷を思い出す場所はかなり貴重なものであり、本作主人公キットのように自らのアイデンティティを探し求める人は数多くいるのでしょう。私が普段関わっているベトナム人たちは日本に留学してきていて、卒業したらベトナムに帰るって言ってたり、日本の企業に勤めるって言ってたり、いわば裕福で頭もいい子たちなんだろうけど(深くは聞いてないし聞けない笑)、この作品に出てくるベトナムがリアルなんだろうな。

日本での戦争してた時代ってもうおじいちゃんおばあちゃん世代、下手したらもっと上?ってこともあるけど、ベトナムではお父さんお母さん世代の話なので、その辺の感覚でも私には理解するのが難しかったのでしょう。


兎にも角にも、戦後の復興って経済的にはすぐに元に戻ってさらに発展できても、人々の心はなかなか戻らないし、愛していた故郷はもう帰ってこないんだなと切ない気持ちになりました。
EDDIE

EDDIEの感想・評価

3.8
30年ぶりの故郷への帰郷。イギリス文化で育ちベトナムを懐かしむ感覚は薄い。今一度自分の存在意義やアイデンティティを問う自分探しの物語。印象的なカメラワークが本作の肝で、主人公の孤独感を巧みに演出。静かな作風ながら画面に釘付けに。

〈ポイント〉
・各シーンを印象付ける巧みなカメラワーク
・疎外感や孤独感を表情だけで悟らせるヘンリー・ゴールディングの好演

〈雑感〉
ヘンリー・ゴールディングってカッコいいですね〜。
それにしても前評判があまり聴こえてこないこの作品。思った以上の良作でした。
自分は全然知らなかったんですが、日本版ポスターは本来男性が2名写っていたのに、ヘンリー・ゴールディングだけにするなど、公開前は物議を醸したみたいですね。
話題を呼ぶための措置であれば策士かもしれませんが、それほど話題も呼べていないかなぁと。

とはいえ、作品自体はかなり上質。
何よりも冒頭のカットから撮影が異次元に素晴らしいことがこの先の物語をワクワクさせるのに一役買っています。
同じカットの中でも下から上に上がって長回しで見せるところが多用されていましたが、この目で見て楽しめる撮影の工夫は随所に見られました。
撮影は『プロミシング・ヤング・ウーマン』のベンジャミン・クラカンだったようで。なるほど、納得の腕前というわけですね。

物語としては母の死をきっかけに、生まれ故郷に30年ぶりに戻ってくるキットが主人公。
育ちはイギリスで、ベトナムの文化や言葉はほとんど覚えていません。
さらに彼自身は人には大っぴらにできない秘密もあり(ここがポスターと関連する部分)、自分のアイデンティティや居場所を探し求めるというのが本作のミッションになってきます。
彼はベトナムで完全に他所者・場違いな雰囲気で、なかなかその場に馴染めません。
居心地の悪さは解消されず、それでも母の遺灰を埋葬するための場所を探すためにベトナムの自分の所縁の地を旅してまわるわけですね。

こんな鬱屈としたベトナム滞在をしていたからこそ、ラストシーンがとても印象的で救われたように感じて特別な映画と感じました。

〈キャスト〉
キット(ヘンリー・ゴールディング)
ルイス(パーカー・ソーヤーズ)
リン(モリー・ハリス)
リー(デビッド・トラン)

※2022年新作映画13本目
Aya

Ayaの感想・評価

3.9
#twcn

「追憶と、踊りながら/Lilting」のホン・カウ長編監督2作目。なんと5年ぶり。

もうすぐ50歳に近づく年齢とは思えない"今"を体現し失うばかりの主人公を映画ないの周りのキャラクターを使い映画的にもドラマ的にも温かく包み込む監督。

ファーストカットの渋滞シーンてハノイだと思ったらサイゴン(正確にはホーチミン)なのね。

そして画面に映し出されるタクシーに乗るアジア系の男。

ちょっとね。
あまりパッとしない表情で窓の外をヘンリー・ゴールディングの顔の良さに頭がクラックラしました…。

わたしヘンリー・ゴールディング弱者だと思ってるんですけど今まで見た作品の中で一番ハンサムだったこの映画(T . T)
いつもよりめっちゃ痩せてない??

今まであんまり見る機会のなかった彼のタトゥーをダサいとか言ってすみませんでした。

わたしも両肩にタトゥーがあるからなんとなく仲間意識を持っちゃったんだよごめんマジで。
(お母様がマレーシア部族の出身でそのルーツの模様らしい)

アメリカやイギリスやシンガポールで白い肌に白い歯を煌めかせながら笑顔を振りまくヘンリーはもうみんなの憧れの王子様!って感じやけど、この湿気の多い東南アジアで短パンにサンダル、浮かない顔でタバコをふかす姿のセクシーさよ(T ^ T)

昨年はお子さんも生まれて健康的で美しすぎる妻と3人でもうトレッキングとかしたりしてるし私の推しの中でも群を抜いてヘルシーな人やわw

私生活はハピハピモード、スネークアイズは散々な言われようですがw
今作は"クレイジー・リッチ・エイジアン"と"シンプル・ファイヴァー"の次に2019年に撮った作品とのこと。
いや、2019年て日本にいたやん!と思ったw

"ラスト・クリスマス"の方が後だったんですね。

わたし知らないんですけどベトナムってチップいらないんですか??
ファミリー向けの高級アパートに泊まり近所をぶらぶら。

訪れたのは30年ぶりに会う従兄弟デヴィッド・トラン宅。
6歳になる娘と自分もお世話になったデヴィッドの母。
睦まじく暮らしている。

不在の娘の母親についての言及が当たり前のように無くそれを匂わせる雰囲気すら一切ないのめっちゃホン・カウっぽくないですか?

お土産のシーン声あげて笑ったww
いやいや亡命できなかった親戚へロイヤル・ショートブレッドってw
嫌味か買うの忘れてて空港で買ったやろ?!

"水を濾過するボトル"も同義ですw
そりゃベトナムは水道水飲めなそうだけどイギリスも全然飲めなそうですけど?!って蛇口捻った水がそのまま飲める奇跡の国日本人ツッこんだよねw

この映画は全編ベトナムロケで音声も同録がほとんどとのことでベトナムの街中、都会や田舎、市場や観光地、はたまたヘンリーの行動範囲である外国人が多い高級なコミュニティ地区やクラブなどの雰囲気がとても感じやすい。

そしてワンカットがとても多い。
印象的なのは従兄弟のアパートへ向かうシーンや電車での会話。

アパートは2回出てきますね。
従兄弟と自分家。
正直「階段登るの早くない?!」と思ったけどw

慣れない土地でウロウロしつつフレームアウトするヘンリー。
いつ頃撮影したのかな?とマスクの人を探す私w
息切れもせずフレームインしてくるヘンリー。

そしてなんとも言えないあのラストシーン。

ワンカットの使い方がうまいホン・カウとその長さに耐えうる演技が出来る才能ある俳優陣。

そして登場する最初はビジネスライクだけど、程よくフレンドリーでとても頭の良いアジア系女性の通訳。

節々にホン・カウ監督の作家聲を感じる演出とファクターに胸が、胸が、キュンとする!

ヘンリーは元々このベトナムで生まれて戦争後、収容所や香港などを経由し父と母と兄と家族4人でイギリスに移り住みます。

最近亡くなった母の遺灰を祖国に撒くために思い出の場所を探しにやってきた。
とても荷が重く、記憶の少ない彼にとってはよく分からない行動ですよね。

彼はゆかりの地を訪ねながらアパートで植物を育てたり父母の出身地であるハノイまで行く。
※サイゴンからハノイ電車で40時間くらいかかるから!

その表情から彼は両親の遺灰を撒く場所以外の"何か"を探しているように感じる。

そして到着してすぐ登場する出会い系アプリ(Tinder的なやつ?)で知り合ったアフリカ系のルイス。

ちょっと待って!
ヘンリー・ゴールディングって6ftくらいなかったっけ??
ってことはルイスって人めっちゃ大っきくない?!
この一時のロマンスの相手が登場するたびに「この人、ものすごく背が高いんじゃ…」ってずっと思ってたw

大人同士軽い会話と音楽とセックスを楽しんだ後、ルイスの少しの下心ありき(やと私は思ってるw)で再会する。

最初はお互いに多くは語らず嘘すら言っていたが2度目にあった時にはお互いについてお互いの家族やルーツについて会話を深め自分の泊まっているアパートに招くヘンリー。

この時、ニュージャージー出身のルイスは「最初は🇺🇸人だとバレるのが怖くて🇨🇦のバッチを着けていた。でも現地の若者は戦争や過去は忘れキャリアや未来に目を向けている」と少し強引に語る。
(ここの"ヤンキー"の訳し方って合ってるのかな?)

幼い記憶ながらベトナム戦争の被害者であるヘンリーは微妙や表情をするがやるこたヤる。

そしてヤることヤッた後、すぐにカメラ通話で甥っ子と笑顔を交わし両親が亡命したおかげで大学に行けた、と兄のヘンリーとやりとりをする。
(イヤフォンとかグチャグチャなタイプなんだ可愛い❤️と思いながらw)

クリスはヘンリーを駅まで送ってくれ従兄弟は父親が燃やしてしまった写真を探してくれる。
従兄弟家族がどんな苦労をしてこの国で生きてきたのか…律儀に借金の話を繰り返す彼の誠意さが光る。

デイビッド・トランさんなんか見たことある気がするんだけど…??
よくある顔なのかな??

ハノイで先にも書いた外国人向けのツアーを案内しているリンと親しくなり彼女の家業である蓮茶作りを見てみたいと言い手伝いがてら彼女の家族に触れる。

このシーン涙が出るほど感動する"一場面"だと思った。

美しい蓮の葉が清潔な部屋に溢れ家族総出で花びらを撒いだり茎を切ったりスープを作ったり何をしているのかはぶっちゃけよく分からないけれど、大きなスクリーンいっぱいこ蓮と彼女の家族そしてヘンリー家族がイギリスへ亡命した理由にみんなが笑ったあの瞬間、この映画とハノイの真の美しさに触れた気がしました。

監督インタビューで音と同様、照明もほとんど自然光を使ってたって書いてあったけどもしかしてここも?!

ここほんとに大好き(T . T)予告でもみれるのでぜひ!

ハノイから戻ってきたヘンリーは「遺灰を撒くのに適切な場所は見つからなかった」と語り従兄弟は「当たり前だバーカ」と。

なんのために父母が亡命してのか?
なんのために生前ヘンリー兄弟をベトナムから遠ざけたのか?いとこのデイヴィッドには分かっていたこと。

ちなみにヘンリー・ゴールディング演じるキットの兄がヘンリーって名前なのですがw

①イギリスのヘンリー皇子から名付けたのか?
②主演のヘンリー・ゴールディングから名付けたのか?

考えたんだけど②な気がすると友達も言っていてわたしも②かな?と思ったし①でもドラマがまた一つ生まれるよね。

帰ってきたヘンリーはリンからもらった蓮茶を持ってルイスのアパートを訪ねます。
そこで初めてルイスは自分がここにいる理由を語る。

ううう(T ^ T)
「ここは楽だよ」と語るルイスにもそんなドラマがあったなんて。
ヘンリーと上手くいきそう…

苦しいけれどとてもロマンティックなシーンでした。
ルイスの部屋に当たり前に茶器があったしw
この2人のカップルいいな…
(ハノイのアイツわたしでもよかったんじゃね?)

遺灰の決着をつけるべくラストに向かいルイスとの関係も最初に2人が考えていたより特別なものになった気がする。

でも!

あの!!

バーカンで見せたヘンリーの顔!!!

そしてその後のある場所での彼の目!!!!

(T . T)

(T . T)

(T . T)

わたしは戦争を知らないおばあちゃんになるつもりだけど今はそれも分からない。

彼らも戦争を知らない(記憶にない)おじいちゃんになるはずだったと思うんですよ。

でもそれは違う。
彼らは「戦争を体感した子ども」であったし知らないおじいちゃんにはなれない…。

そしてホン・カウ監督自身もカンボジアで生まれベトナムを経て幼い頃にイギリスへ渡った過去がある。
彼もまた「戦争を知っている」おじいちゃんになるはずだ。

もう雰囲気が好きすぎる!
時間の流れや人物をゆっくり捉えるカメラのカット。
そして心情を伝えようとしながらも掘り下げすぎない距離感。
俳優を全面的に信用した長回しの脚本と演習。

まさにホン・カウらしい映画としか言えない。゚(゚´Д`゚)゚。
2作しかみてないけど!

もう一回みたい。゚(゚´Д`゚)゚。
今すぐ観たい!
この作品の余韻にじっくり浸って過ごす時間が素晴らしく幸せ。

あれなのかな?
一つの作品をじっくり練るタイプなのかな?
だからか今作もそんなに予算がなかったらしい。

わたしは今作が地味だとは思わない。
特に"追憶と、踊りながら"よりもドラスティックだとすら思う。

なのになんで2週間しか上映しないの。゚(゚´Д`゚)゚。
もう一回観たいのに2週とも朝と仕事の終わらない夕方だし。゚(゚´Д`゚)゚。

しかもこんなに上映回数が少ないにも関わらずめっちゃ人入ってなかった…

なんでぇ???

パンフレットも作ってないなんてイオンエンタメひょっとして別の作品と抱き合わせで買ったやろ。゚(゚´Д`゚)゚。
絶対ソフト出してくださいよ?!

観てもらえば素敵さが伝わるのにいくらなんでも観れる機会が少なすぎるよ…。

マジで今週で終わりなら会社休もうかな?

※何も知らずに"無聲"とはしごしてしまい「なんで止めてくれなかったの?!」とはしごを知らない友人を責めたのはまた別の話…


日本語字幕:栗原 とみ子
移民とクイアというダブルマイノリティの主人公が母国に母親の遺灰と共に帰る話。移民についての知識がなさすぎて申し訳なかったが、今の日本では主人公はものすごい差別に晒されて生きていくのがとても辛いだろうと思いながら鑑賞。
ベトナム語もあまり覚えておらず、昔一緒にいた友達にも少しズレたイギリスのお土産を渡したり、なんか、どこにいても自分という感じがしないのだろうなあ…という気持ちがとても伝わった。音楽がすごく良かった。

池袋にはとても美味しいフォーのお店があるので、ベトナム料理が食べたくなったら行けば良いよ!フォーティン トーキョーってとこ。

https://phothin.co.jp/
【変わりゆく故郷】



ベン・ウィショー主演の「追憶と、踊りながら」を手がけた"ホン・カウ"監督が、「ラスト・クリスマス」などの"ヘンリー・ゴールディング"を主演に迎えて、"ベトナム戦争"後の混乱を恐れてボートでイギリスに亡命すると言う「ボート難民」であった男性の"変わりゆく故郷"への旅路を描く作品だ。

戦争をテーマにしているのだが決して深刻な内容ではなくて、故郷に両親の"遺灰"を撒きにきた男性の"ロード・ムービー"として本作は描かれている。その中で、変わりゆく故郷に思いを馳せたり、ラブストーリーとしても描かれている。とても哀愁漂う作風に仕上がっていた。
そして本作はなんと言っても、ヘンリー・ゴールディングの"魅力"がたっぷり詰まった作品となっており、ただ歩いてる姿でも様になってしまう。それくらい、ベトナムのような東南アジアの風景とヘンリーの不思議な魅力がマッチしている証拠である。物語の幻想的な雰囲気を、掻き立ててくれる存在であった。

本作は割と私好みの作品であった。観る人を選ぶ作品かもしれないが、ホン・カウ監督はアジアを舞台にしたロード・ムービーを撮るのが上手いと思う。これからも監督には、そうゆう作品を撮り続けてほしいし、もっと知られてほしい。

本作を観て、そんな確信を持てた作品なのでありました。
移民が抱える罪悪感がメインテーマ。
主人公はゲイという設定だが、この性的指向はあくまでもサブテーマだ。

6歳でイギリスに移住。
祖国ベトナムの言葉はほとんど話せない。
こんなに縁遠くなってしまったベトナムだが、自分のルーツがそこにあることは揺るぎない事実だ。
母親の死をきっかけに、祖国ベトナムとどう向き合うべきかと苦悩する青年のお話。

うーん、島国日本に住む生粋の日本人の私からしたら、それこそ縁遠いテーマではあったが、移民が主題の作品は割と観るし、こんな描き方もあるんだなぁとけっこう楽しめた。

面白いのは、ネットで知り合ったベトナム在住アフリカ系アメリカ人の男性の存在だ。
彼は彼で、移住した身としての苦悩を抱えているが、主人公キットのそれとは全く異なる種類だ。
ベトナム戦争で勝利したアメリカにルーツがある自分がここにいるという引け目。
彼がキットに、自分はそういうアメリカ人じゃないんだと弁解するシーンが、全くキットにとってはどうでもいい的外れな言葉であることが滑稽だった。

この2人、どうなっていくのかな⁈と観ていたら、なんだかいい感じになってラストに向かっていった。
複数回のラブシーンはそれを表すスパイスだし、やはりキットの不安を表すものでもあるので、別に無意味ではない。

その2人の関係性や、兄が訪れたときのキットの表情、ラストのカットから、すごく根拠はなく直感なんだが、キットはもしかしたらベトナムに住むのではないかと思った。
30年間の空白を、これから埋めていくのだろうか…
shoepexe

shoepexeの感想・評価

3.5
儚げな表情を浮かべながらもデートしたり観光したり意外と楽しんでいそうな自身のルーツ再訪の旅。風景・文化・歴史とベトナムの魅力を描くのに余念がないが、ベトナムラバーとして贅沢を言えばフード描写がもう少しあるとなお良かった。
磨

磨の感想・評価

3.3
難民として家族でイギリスに亡命した青年が、30年ぶりに訪れた故郷のベトナム。
様変わりしたかつてのサイゴン(現ホーチミン)で、主人公が過去の面影を探し求めるヒューマン・ドラマ作品。

カンボジア系中国人である監督自身、生まれて間もない時にクメール・ルージュ政権下のカンボジアからベトナムへ脱出し、ボート難民としてイギリスに渡った過去を持つという。

タイトルはアラビア海で季節によって向きの変わる風、つまり季節風の意味。
驚異的な経済成長を遂げ、かつての姿は見る影もなくなった故郷で戸惑いつつも、出会った人々との交流で自分を見つめ直す…という姿。時には流れに身を任せ、時には流れに背いて生きていくという生き方を意味しているのだろうか?

アイデンティティの探索というテーマと、その描き方はなかなか良かったものの、やや同性愛者要素を強調しすぎていたのが気になった。これも監督の事らしいけど…。


カンボジア人を演じたヘンリー・ゴールディングはこれで何か国目の人間を演じる事になったのだろう?アメリカ人、中国人、シンガポール人、マフィア、忍者…(最後の方は人種ちゃう)
アジアを舞台にした作品にはもはや欠かせない名俳優とはいえ、ここまでだと、とりあえず出しときゃいい感も伝わってくる(笑)
モヤモヤが頂点に達したところで終わってしまった感じ。ただ、監督の体験から生まれた映画だそうだから、フィクションで希望を味付けしようと思えばいくらでもできたはず。
それをしなかった理由があるんだろうけど、そこまで汲み取れなかった。
ただ、ベトナムの風景が面白いのでそこは満足。
東南アジアの洋風建築って、ドアや窓が広く取ってあって開放的でいいよな〜爽やか…
『MONSOON』
難民として祖国を去って30年、発展を遂げた故郷を前に、彼は何を思い抱くのか。忘れられた世代と分断された国。等身大で綴られた旅模様は、苦悩を胸にそっとしまい込みながら生きている人々の姿を描く。皆が苦しみを抱え、それでも季節は移りゆく。
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