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コンフィデンスマンJP 英雄編の8637のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズで一番の満足感!
こんなにも爽快に騙される瞬間。なのに悔しさではなく有終の美が覆い尽くす感動のフィナーレ。否、このシリーズのことだからまだまだ続くのかもしれない。
捉えようによっては詐欺師大讃美映画かもしれない。現実では、詐欺は悪だ。しかし、100%俯瞰で観る分には、年に一度くらいこの規模のコンゲームに騙されてみたいと感じるのだ。

今回は、クライマックスで全どんでん返しという体を(結局は)守りながらも、ストーリーテリングがリレー形式になっている。そして何と言っても、ダー子が本当に狙っているオサカナが隠されていること。いや、これは「ロマンス編」と同じやり口だったか。
このように後から振り返ってみると、毎度似た構造で観客を騙しにいってる事に気付くのだが、それでもその場の爽快感は半端じゃないのだ。多少理解できてないところがあっても、上映後に一緒に観た家族と語り合って分かった。

登場出来なかった者たちは単なる状況説明の一環で済まされるのではなく、彼らにとっての華々しいラストが用意されている。それが感動的な事もあり、完結編なのかと思ってしまった。
あと観客が騙されたものとしては、マルタ島のシーンの大半が国内撮影だというどんでん返し。自分が観たのが遅いのが悪いのだが、観てから知りたかった...それを知っても違和感を感じないくらい技術は高い。

もうさすがに終わりだろうな、と思ってもまだ粘る。この言葉は、シリーズの続き具合的にも。今回も、過去が洗いざらい描かれ、しんみりとしたラストカットで終わるにも関わらず、阿部寛の登場という針穴レベルの希望がシリーズの継続を予感させる。色々な意味で大変だと思うが、また新作が観たい。


追記: "英雄"が好き勝手し、残虐な様のまま利益を奪っていく様子に、世界の現状を重ねてしまったのは内緒で。
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