ひでG

アポロンの地獄のひでGのレビュー・感想・評価

アポロンの地獄(1967年製作の映画)
3.3
無料配信で初見。
でも、ずっとずっと前から知っていた。

なぜなら、亡き淀川長治先生がラジオで繰り返しこの映画について語っていたのを聴いてきたから。

ギリシア神話、オイデッフス王の悲劇を映画化。
父を殺し、母と情を交えてしまう若き王の物語。

淀長先生の名調子で、これはギリシア神話であり、男の子の原型である、って何度も聴かされていた。
つまり、男の子にとって、父はライバルに母を恋人なんだって古今東西に共通する物語なんだ、そうだ。

映画も序と結以外は、この物語を再現する。
正直退屈でもある。

なぜなら、若き息子が旅に出てすぐに、お告げを受ける。

「お前は実の父を殺し、母と情を交わす!ジャジャジャーン!」

このあと完全に登場人物より観客の方が先に出来事を知ってしまう「劇中後追い現象」が起きてまう。
→「良い言葉だなあ!僕が作ったよ😃」

だから、何が起きても驚かず、逆に劇中の若き王があまりにオーバーアクトで、引いちゃう💧

ただ、カメラワークは素晴らしかった!
荒涼とした大地、それと対比するような、真っ青な空。
殺戮のシーンでの刺さるような光、
親子で交わってしまう寝室の造形など
絵としての格調高さはあるなあ〜

本作、大半がギリシア神話の話だけど、
本編と序・結のつながり方には、
「ほ〜、なるほど〜!」と感心させられた。

序盤で、赤ちゃんが野原に寝かされているシーンになんか不自然やなあ?て思ってだけど、
「そ〜繋がるのね!」て、合点がいったし、面白かったわ。そこは!
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