ChanpuruPoo

アクアマン/失われた王国のChanpuruPooのネタバレレビュー・内容・結末

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

海底人の王国アトランティスの王であるスーパーヒーロー、アクアマン(ジェイソン・モモア)。ある日、彼に復讐を誓う宿敵ブラック・マンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)が謎のテクノロジーで王国を襲撃。アクアマンはかつての敵であり弟のオーム(パトリック・ウィルソン)に協力を求める…。

DCEUユニバースの打ちきり、離婚裁判で敗訴した出演俳優アンバー・ハードに対する世間の逆風など非常に困難な状況で作られた本作だが、ジェームズ・ワン監督をはじめとする作り手たちはそんな裏事情を感じさせない、むしろ前向きな印象を与える快作を作り上げた。1本の映画としての面白さにとってユニバースものであるかどうかは関係ない、という信念をそこには感じるし、状況を逆手にとって、スター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リング的な展開など、好きなことをやりたい放題詰め込んだ感もある。特に、びっくりするほどレトロ調な悪役のテクノロジー(潜水艦の指令室やタコ型ロボット)はどこか懐かしい味わいがあり楽しい。物語的には、敵陣営にいながらも良心の呵責に苛まれるコミカルなシン博士(ランドール・パーク)のストーリーラインがサブ主人公として観客の共感を呼ぶ上手い補助線になっている。図らずもDCEU最後の作品となった本作だが、ヒーロー映画を総括するようなスピーチが最後に用意され、(やや強引ではあるが)しっかりフィナーレを迎えるところも含めて、手を抜かなかった製作陣に拍手。
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