さよなら僕のマクガフィンたち

秘密の森の、その向こうのさよなら僕のマクガフィンたちのネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『燃ゆる女の肖像』のセリーヌシアマ監督最新作と聞けば、自然と足が映画館に向くものです。

『燃ゆる女の肖像』は、時代、性、芸術など様々なコンテキストが絡み合って頭がクラクラするような面白さもありました。本作はいたってシンプル。『思い出のマーニー』のような家族(本作はママ)の子供の頃に邂逅する話です。

母親ならば本来子どもの頃に会うような遠い距離感ではないのですが、物語上、ママはそのママを亡くし、パパとネリーを置いて家出をしてしまっう。

ママにとってママはどんな存在だったのか。「ちゃんとおばあちゃんにお別れを言えなかった」と嘆くネリーは、おばあちゃんにも邂逅する。
ママ(マリオン)とネリーの距離感は自然と埋まり、マリオンを理解する不思議な経験となるので、家出から戻ってきたマリオンとの再開に感動を呼ぶ。とても自然だし、静か。その空白を演者が埋めているようで、このサンス姉妹はとても素晴らしい。子供の使い方が上手いシアマ監督素晴らしい!

おばあちゃんとの別れは決してウェットには終わらなかったが、そこに慎みを感じる。
超大作ではない、とても良い映画。