りょう

秘密の森の、その向こうのりょうのレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.0
なんだか仕事でめちゃくちゃ疲れた1週間、映画で癒されたくて、しかも73分という疲れた身体に優しい長さのこの作品。そういえばセリーヌ・シアマ監督の「燃ゆる女の肖像」を見た時もめっちゃくちゃ疲れた日だったことを思い出した。

自分の子供が同じ歳の自分と出会ったらどうなるんだろう、友達というか仲良くなれるのかな笑

最初の車の中でネリーがスナック菓子を後ろから母マリオンに食べさせて、最後首をハグするシーンよかった。子供なりに母親気遣ってるんだなぁ。ネリーの母である前に自分も娘であって、それはどんなに歳を重ねても変わらないわけで。

沢山の対比があって、祖母の家の片付けと森の中の家づくりとか、壁紙で今どっちの家なのかとか、ネリー⇔母マリオン、ネリー⇔子マリオン、赤と青などなど。構成がめちゃくちゃ秀逸で、あとからいくらでも思い出して楽しめる。

二人でキャッキャしながらクレープ作るところ、スープ口に含んで戻すところ、ハッピーバースデーの歌2回目お願いするところ、などなど本当の双子ならではの雰囲気が、ネリーと子マリオンが本当は親子だけど対等な感じを演出していると思えた。

最後、家に戻って母マリオンが帰ってきていた時の安堵感。すごいいい終わり方だった。時代を超えて、おばあちゃんにもさよならを言えたね。

設定を一切説明せずに会話と演出だけで理解できるような構成になっていて、しかも振り返ると色々深みが出てくるすごい作品でした。
りょう

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