このレビューはネタバレを含みます
なんだか終始ぼんやりとした、ずっと夢の中にいるような不思議な映画だった。
ただひたすら双子が可愛くて、二人が並んだ画は特に可愛い。
クレープを作るシーンは完全にアドリブと思われ、普段の2人の無邪気で仲睦まじい姿がそのまま映し出されているようだった。
しかし、映画の設定はあくまでも双子ではなく時空を超えた親子の役。
それなのに、自分の娘にそっくりな女の子が現れても、誰も驚かないし、本人たちもそっくりねみたいな言葉も会話も全く無いし、2人が常に冷静なのも不自然に感じてしまった。
2人が出逢う森も小屋も、紅葉した落ち葉も幻想的で、静かに進む美しい映像、これこそが『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督作品なのかと納得。
亡くなった祖母に「Au revoir さよなら」を言えなかったネリーが、マリオンの母(後の祖母)にちゃんと「Au revoir さよなら」が言えたシーンからの、ネリーと母の名前を呼び合う2人のラストシーンがすごくよくて、フワフワとした感覚がスーッと収まっていくのを感じた🍁🍂