冤罪による死刑で
夫を失ったシングルマザー。
生活は四面楚歌。
そんな彼女の元に
夫の古い友人と名乗る男が現れて…
の、物語。
序盤に描かれる、
イランという国での寡婦の生きにくさは
観ているだけで苦しい。
酸素くれって思うくらい苦しい。
BGMがないため画面が固く、
更に苦しさが助長する。
うまい演出だな、と思う。
全て神の思し召し、
神が定めたことだからと
片付けられているけれど、
いやいや人間の意志が働きまくってるやん
ってツッコんでしまうのは、
自分が抑圧された世界に
生きていないからなんだろうな。
夫の友人の正体を
彼女が気づいたところからがハイライト。
イスラム社会で生きるって
良くも悪くもこういうことかと、沁みる。
宗教、道徳、物事の捉え方。
なるほどなぁと思うし、
自国で上映が禁止されちゃったのも
ほんの少しだけ分かる気がした。