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ボーはおそれているのJPのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.2
▼ネタバレなし感想
・「ヘレディタリー」「ミッドサマー」に比べれば怖くない!
・グロ描写 ★☆☆☆☆(体感10秒)
・エロ描写 ★★★☆☆(体感3分)
・幽霊&心霊&悪魔的なものがほぼ出てこない。
・キモイクリーチャーは出てくる。
・どこに連れてかれるのかわからないハラハラドキドキの大冒険!
・期待値を遥かに超えてくる怒涛の展開。
・明らかに「JOKER」のオマージュが出てきてニヤリ!!
・過去作に比べて話が難解かもしれないので、歯ごたえのある物語(それも不快指数高め)を摂取する覚悟をもって挑むべき!
(人によっては眠くなるかも!)
・今作、ホラー映画というよりむしろ「不条理劇」の要素がかなり強いから、個人的には好き。そのぶん話は難解になっている。監督も今作は「anxiety comedy」と定義していたから、観客を「怖がらせること」より「不安にさせること」に重点が置かれていて◎
・パンフレットも最高。迷ったら買って良し。¥1,100はむしろ安い。

▼良かったところ
・とんでもない幕開けから頭がおかしくなりそうで最高。個人的にはこの開幕が一番怖かった。わからないことが何よりもおそろしい。
・ゴッサムシティよりも何倍も狂った阿鼻叫喚シティの描写が最悪で最高。治安が悪すぎて笑えてくる。
・エレベーターの開き方がもはやギャグ。なんで火花散っても動いとんねん。
・どのチャプターも面白かったけど、やっぱりダントツに最初のチャプターが面白すぎる。どうやら監督が2011年に発表した7分の短編がこのチャプターとほぼ同じ内容らしく、納得。この序章だけで終わってもめちゃくちゃ面白い。
・隣人から深夜に「音下げろっつったのになんで上げたの?」の手紙がシューッて滑り込んでくるとこ笑っちゃう。

▼以下ネタバレ



・狂った街を横スクロールで撮っていく時に、母親に手を引かれて、子供が遊んでいた船のおもちゃが沈んでいく場面が映る。まさかこれがエンドロールになるなんて…ねえ…???
・あんな狂った街あるわけねえ、これは不安症なボウの見ている幻想だと思って見ていたら、ちゃんと幻想ではないというオチが終盤に用意されているのが、さらに救いようがなくて◎

・セックスのあと…いやお前が死ぬんかーい!!で笑っちゃうと同時に背筋が凍る。さすがアリ・アスター。あそこで終わるとかなり多くの人が思ったのでは?ここで終わると見せかけてまだある!まだある!まだまだある!畳みかけ方が鬼畜の所業。また、大島依提亜さんも指摘していた通り、不安なことは不安なままで、さらなる不安が押し寄せてくることで次のステップに進むことになる、というのが◎(序盤で紛失した家の鍵が戻ってくることはないし、殺人鬼に刺された傷だって癒えてないし…何も解決してない!笑)
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