ボーはおそれているのしらがのネタバレレビュー・内容・結末

主人公ボウは、父の命日に合わせて実家に帰る予定だったがトラブルでフライト予定時刻に間に合わず、その後母も無惨な死を遂げたことを知らされる。
母の葬儀のために家路を急ぐボウは、夢とも現実ともつかない光景を目の当たりにする。

待ってました、アリ・アスター監督最新作！
全編通して現実と幻想の境界が曖昧になっていて、何が起こっていたのかは正直良くわからなかったけど、ボウという一人の人間の内面、特に母との関係に対する苦悩・罪悪感を描いているんだろうなと思った。
お母ちゃんの方も、望まない妊娠や男性嫌悪を伺わせる描写があったりして、ボウの人格形成にも大きな影響を与えてそう。
幼い頃から「あんたはセックスしたら死ぬ」なんて刷り込まれたら恐ろしくて行為に及べませんわ。
屋根裏部屋のアレは何かこう、すごい直接的な表現だったね。

終盤、大観衆が見つめる中でボウが断罪されるシーンは、彼が蓄積し続けてきた自責の念を表しているのかと思った。
オープニングで母の胎内から生まれてきて、エンディングで水中に沈んでいくという流れは、本作でボウという人間の一生を描いているというメッセージかな。

パンフとかインタビューで「このシーンはこういう意図がありました」っていう答え合わせをしたい気持ち半分、もう何回か鑑賞して自分の中の解釈を深めたい気持ち半分、今はそんな心境です。