Ayax

こんにちは、私のお母さんのAyaxのレビュー・感想・評価

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)
3.7
中国で爆裂ヒットしたコメディ映画。泣けるって宣伝してる映画は結構嫌いなので普段あまり積極的に観ないのだけど、これは日本でも話題になってたので観てみた。
結論から言うと、観て良かった。泣けるとか通り越して暴力的なほど泣かされるって感じだった。多分誰も泣いてないだろうなというところ(むしろ笑うシーン)で笑いながら泣いてしまったり、3回くらい嗚咽。涙もろい人はフェイスタオルとか持って行った方がいいかもしれない。
映画としてクオリティが高いかというと全然そんなことなくて、むしろ古臭かったり、ギャグもベタでしょうもなかったり、冒頭のCGも本当にひどいのだけど、そういうのがどうでもよくなるくらい何だか愛おしい。
主人公の女性が中国のコメディエンヌで、自分のお母さんとのことをコントにして、それをもとに映画にしたらしい。監督、脚本、主演の一人三役。私は最後のある展開を予想してなかったので(勘が良い人はわかりそう)、お話を作る力がある人だなと思った。
バレーボールやったことある人としてはバレーボールのシーンもだいぶおかしかった(下手くそすぎる)。郎平とかチラッと言及されたりするのもおお!ってなった。
1つモヤッとしたのは「いつお母さんを喜ばせてくれるの?」みたいな台詞があって、お母さんめちゃ良い人だし、冗談で言ったのかもしれないけど、それが娘にとって呪いになっていて、お母さんを喜ばせられない私=無価値みたいな思考回路にさせてしまってるのどうなん?と思った。どうなん?って思っててもボロクソ泣かされるんだけどね。それにそれがないとこの話が転がらないのよね。私は手放しで良い話〜とは言えない気がした。
苦言を書いてしまったけど、娘がこんな大ヒット映画を世に放ち、お母さん喜んでると思う。その点で素晴らしいな、やっぱり。
中国映画市場がどんどん大きくなって、良い映画も増えてきて、前途洋々と思いきや、検閲も厳しいし、国策映画みたいなものも増えていきそうで、あまり明るくないと町山さんがラジオで言ってた。
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