「あなたもいずれは老いる」
高齢者社会における年齢差別、高齢者虐待をシニカルに描いた作品
表現がストレートで容赦なさすぎたために封印されていたと聞いてもっともっと過激だと思っていたが、
誇大表現されているわけでもなく、案外当時の現実そのままを描いているのではと思う
日の目を見なかったのは、ただ単に現実から目を背け続けたかっただけ
現代に暮らす自分がすんなりと受け入れられるのはこれはフィクションだと割り切れるほどに世の中が是正されてきた証かもしれない
アミューズメントパークという箱でないがしろにされるお爺さん
所得で制限されるアトラクション
運転免許証が必要なゴーカート
押し込まれる老人ホーム
ただ楽しみたいだけなのに、老齢というだけでそれさえ許されない
そこに問題提起が見え隠れするけれど
実際問題、アミューズメントパークという活気溢れた場所で若者と同じように楽しむには無理がある
エネルギッシュな楽しみじゃなく、年齢に沿った穏やかな楽しみ
そういう選択を持ち合わせる必要性
わざわざ舞台をそこにしているのは、『高齢者側の分別も必要』というそんな思いもあるからではないか？
何でもかんでも一つの世代の主張に合わせていたら、社会は回らなくなっちゃうよ
と考えてしまう
