みーちゃん

ブラックボックス:音声分析捜査のみーちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
フランスの映画。主演のピエール・ニネは、イヴ・サンローラン財団公認の伝記映画「イヴ・サンローラン」が印象的だけど、やはり良い役者だなーと思う。

私はこの人には独特の魅力があると思っていて、派手さは無いけど演じる役に対する不思議な共感(感情移入とは少し違う)を生み出す。演技力が高く自然に見えるのも良い。

本作の主人公マチューもそう。だからサスペンススリラーという枠を超え、結果オーライではなく、このようなニ次的、三次的な被害を生まないために、どうすれば良かったか?と考えさせられた。

これは航空に限らずどの業界でも当てはまり、経営側と雇用される側どの立場でも当てはまるリアルな問題だと思う。特に、最初の記者会見で事故原因の見解を求められる仕事のスピードと、その後の軌道修正の困難さが身につまされた。
(分かる人には分かる"あるある"ではないでしょうか?)

悲しみに浸るだけではなく、リベンジだけではなく、この悲劇が起きた原因は?再発防止のためには?と決意しながら闊歩するのが最後のノエミの姿だと思うし、それを実行できると信じたい。