みーちゃん

哀れなるものたちのみーちゃんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
構想するだけなら簡単だけど、これを映像化&商業化できるなんて。プロットもディテールも素晴らしく、終わった後は気持ちよく劇場の席を立つことができた。

それでも序盤は予測不能で、ベラが、もしかしたらダンカンの範疇に収まってしまうのではないか、望まない方向に進んでしまうのではないか、とハラハラした。でも当然ながら、そんな心配は軽〜〜く超えてきた。私がそれを確信したのは、リスボンの下町でファドに出会うシーン。あれは感動的。彼女があの感情を知り、観客と共有したなら、ここから先は何があっても大丈夫だと確信することができた。

それは船上でのマーサとハリーの出会いで証明され、奇しくもパリでは実践フェーズ。色々あったが、男子学生に混ざって医学部に通う姿と衣装の成長ぶりには、もはや感慨を覚えた。

長々と書いてもキリがありませんが、各章のタイトル映像だけでも永久保存版と思えるクオリティだった。

あと、他のサイトで女性だけが学ばなくてはいけないの?女性だけが賢くならなくてはいけないの?という意見を読み、なるほど、そう感じる人もいるのか、と思った。ただ、これまでもこれからも、全ては人類の発展途上史なのだと考えると合点がいく気がする。