「カランコエの花」に続き、こちらの作品。カランコエの花にもこの作品にも出てくる「理解」したつもりの人間にならないためにはどうしたらいいのか、自分の考えを持ちたくて。
この映画を通して、もしかしたら自分の周りにゲイやレズがいて、その人のことをゲイとかレズとか関係なく、人として好きだ嫌いだって思えれば、もうそれはLGBTがどうとか関係ない、LGBTという概念をそもそも意識しないことが大事なのかなと思った。頭でっかちにならずに、現実世界で誰に対しても人として好きかどうかの基準を持って接するようにしたい。ただその領域に達するためにもまずは色んな考え方、受け取り方を知っておく必要がある。
ゲイだけども、ちゃんと結婚したいし、子供だって持ちたい。でも体が言うことを聞いてくれない。人間の根本の部分で体と心のズレに苦しむ純。摩擦係数を0に近付けるためにずっとずっと隠して我慢してきた。躊躇のない飛び降り方が、いつだって自分は何で生まれてきたのかと苦しんでいたことを物語っている。
表彰式での三浦さんのカミングアウトのシーンでは思わず目頭が熱くなった。私はこう言う人間なんだと知ってもらうこと。これも大事なんだな。相当勇気いるけど。受信する側も寛容なスタンスが必要。
山田杏奈さん良かったですね。おじぎピース最高。こんな娘が欲しい。初めて出演作見たのですが、別の作品もぜひ見てみたいです。
神尾楓珠はゲイならではの苦悩をしっかり表現できていたし、入院の時の母親とのシーンはかなり心揺さぶられた。
そして、前田旺志郎。出演作を見ている時系列はバラバラですが、すっかりいい仕事する俳優。今回も亮平がいなければこの話は成り立たないくらい存在感ありました。実際の旺志郎くんもこういういいやつであって欲しい。
そして今井翼のリアルさよ。その一言に尽きる…。
理想と本能の不一致に苦しんでいる人が、他者から反射的に発せられる「え、きも」のたった3文字で簡単に人格を否定されるようなことはあってはならない。アンミカのようなポジティブなワードで反射的に返せる人になりたい。人が人を好きになる気持ちはいつだって純粋だ。
